バレエ

Ballet

クラシックバレエ

  
 私の現在の一番の趣味は、バレエ鑑賞です。日本にいるときも良くバレエを観にいっていました。
最初にアメリカに来たときは別の州に住んでいたのですが、東京生まれ東京育ちの私には、車でないとどこにも行けない生活や、バレエやミュージカルを気軽に楽しめない環境に、少々退屈を感じていました。

私がニューヨークに引っ越してきた一番の理由は、一流のバレエを観たかったからと言っても過言ではありません。嬉しいことに、東京でバレエを観るより、チケット代は遥かに安いのです。オープニング・ガラ・コンサート等は、皆イブニングドレスとタキシードで劇場に訪れ、チケット代も$120を超えますが、シーズン中はオーケストラ席でも$100以下で観られます。日本では安くて12,000円、高いと20,000円を超えますから大変でした。


◆ アメリカン・バレエ・シアター American Ballet Theater(ABT)

1940年創立のアメリカを代表するバレエ団です。バレエ界の頂点に立つダンサーを擁し、「白鳥の湖」や「ジゼル」といった古典作品を得意とします。秋にはシティー・センターで新作やモダンな作品も発表します。

私の一番のお気に入りはスペイン人の、アンヘル(Angel Corella)です。高い跳躍力と、安定感のある速い回転力の持ち主です。彼の18番の海賊の奴隷役アリではまるでスクリューのように、すごい速さでくるくる廻るので、私は彼をスクリューボーイと勝手に命名しました。

 

日本では彼のサインを貰うのに、2時間待ちと聞きましたが、アメリカでは楽屋口から出てくるアンヘルに気軽に声をかけサインを貰うことが出来ます。

アンヘルのサイン

同じラテン系のプリンシバル、パロマ(Paloma Herrera)と踊るドンキホーテは、ラティーノ特有の情熱的で官能的な素晴らしいパフォーマンスです。

そして、イギリス出身のジリアン(Gillian Murphy)と踊る白鳥の湖。中でも黒鳥の踊りは素晴らしかったです。正直言うと、彼女の黒鳥を観るまでは、あまりGillianのことは好きではありませんでした。でも、彼女の黒鳥の踊りの32回の大回転(グラン・フェッテ・アン・トールナン)は圧巻です。あんなの見たことありません。1回転するタイミングで、3回転してしまうのです。2回転するダンサーは多いですが、3回転したのは初めて見ました。鳥肌ものです。2005年は彼女のシルビア(Sylvia)を観ましたが迫力がありました。

白鳥の湖 

2005年のシリーズは産休だったイリーナ(Irina Dvorovenko)とイリーナの旦那様のマキシム(Maxim Beloserkovsky) は、これぞ美男美女のカップルと言うにふさわしい、ウクライナ出身の美しい2人です。イリーナがマキシムの出演する舞台のリハーサルに、赤ちゃんを連れてきたときに、2人の赤ちゃんを見ましたが、天使のように可愛かったです。

他にもアメリカン・バレエ・シアターには素晴らしいプリンシバルが沢山います。

白鳥の湖 シルビア

ジゼル 

ドン・キホーテ  

ロミオとジュリエット

 

◆ ニューヨーク・シティ・バレエ New York City Ballet(NYCB)

ロシアの偉大な振付師ジョージ・バランシンを招き、1948年に創立しました。バランシンやジェローム・ロビンスらの創作、現代バレエ作品を多く上演します。

クリスマスシーズン恒例の「くるみ割り人形」は、NYの冬の風物詩として非常に人気があります。私も2004年、2005年に観ましたが、演出・舞台装置、それはそれは幻想的で美しく、雪が降るシーンでは、あまりの美しさに思わず涙が出てしまったくらいです。

くるみ割り人形 

◆ ボリショイ・バレエ Bolshoi Ballet

2005年6月にボリショイ・バレエ団がニューヨークのメトロポリタン・オペラ・ハウス(Metropolitan Opera House)で公演をしました。私は古典バレエで一番好きな、ドンキ・ホーテを観ました。キトリを踊ったSvetlna Zakharovaは私のとても好きなタイプのダンサーです。細身で手足が長く、身体が柔軟で足を上げるとほぼ180度になります。ドンキ・ホーテはいろいろなバレエ団の舞台を、もう何十回も観ましたが、このボリショイの舞台も非常に良かったです。

ちなみに、私の3本の指に入るドンキの一つは、ロイヤル・バレエ団時代に日本に公演に来た、熊川哲也吉田都のペアーです。吉田都さんは熊川哲也さんのK-バレエ・カンパニーに2006年移籍しましたが、こんな素晴らしい人達が世界で活躍しているのが、非常に誇らしく思ったのを今でも覚えています。

ドン・キホーテ 

◆インターナショナル・バレエ・ガラ International Ballet Gala

2005年2月14日にニューヨーク州立劇場(New York State Theater)でインターナショナル・バレエ・ガラコンサートが催されました。American Ballet Theater, Paris Opera Ballet, Royal Ballet, Kirov Ballet, Bolshoi Ballet, Munich Balletの世界でも超一流のバレエ団が一同に集まり、公演を開くのです。

超一流のダンサーの踊りを一度に観られるなんて、バレエファンとしては夢のようなのです。男性はタキシード、女性はイブニング・ドレスで劇場に行きます。それでもアメリカではチケット代はオーケストラ席でも$125とキャストの割にはお手頃です。

どのダンサーも素敵でしたが、私が一番素晴らしいと思ったのは、ロイヤル・バレエのAlina Cojocaruです。彼女は、ドンキ・ホーテとジゼルを踊りましたが、ドンキは動、ジセルは静というように、ドンキの情熱的な踊りと、ジゼルの儚く蒼い、悲しい死の世界を見事に踊り分けました。

彼女は小柄で細身、身体がしなやかで、もちろん足を上げれば180度位開きます。バジルがキトリを片手でリストしたときにも、彼女の片足は180度近く上がっていました。もちろんこんなの初めてです。普通は120〜150度位上がっていれば良いほうではないでしょうか...。とにかく踊り方もキュートで、彼女が次にニューヨークに来るときは、必ず観にいきたいと思います。

●リンカーン・センター Lincoln Center (K-Ballet Company公演)

1960年代に再開発が進み、6棟の施設からなる世界最高水準のパフォーミング芸術複合劇場施設です。中でもメトロポリタン・オペラ・ハウスは、メトロポリタン・オペラ、アメリカン・バレエ・シアターの本拠地として多彩なプログラムで知られています。

毎年夏に行われるLincoln Center Festivalには、日本から一流のパフォーマーも出演します。Lincoln Center Festival 2004には熊川哲也の主催するK-Ballet Companyや、中村勘九郎の「平成中村座」が招待されました。K-Ballet Companyを観ましたが、日本からのお客様も多く、有名人も沢山来ていました。

実は私は熊川哲也さんの大ファンで、日本に住んでいる時は、ファンクラブに入っていました。会員番号もかなーり古かったんですよ。熊川哲也さんが89年、ローザンヌ国際バレエ・コンクールでゴールド・メダルならびに高円宮賞を受賞した時のビデオを見て、すっかりファンになりました。熊川哲也さんがCMとかに出て、バレエファンでなくとも皆が知る事になる、ずっと前のことです。

アメリカに来たため、やむなくファンクラブを退会せざるを得ませんでしたが、久しぶりの熊川哲也さんのパフォーマンスを観られてとても嬉しかったです。

オペラ・クラシック音楽!K-Ballet Companyの公演チケット

【所】 62nd St 66th St at Columbus Ave (62nd St と 66th Stの間)
【交】 地下鉄@H線 66 St駅から徒歩すぐ。 
www.lincolncenter.org

【ABT 2006年シーズン】

とうとう2006年度のシーズンが始まりました。私が一番楽しみにしている季節です。

●6/7/2006 (マチネ) シンデレラ Gillian Murphy & David Hallberg

シンデレラは初めて観たのですが、なんだかミュージカルを観ているような感じでした。古典バレエが好きな私の好みとはちょっと違っていましたが、ジリアンの踊りは迫力ありましたし、2006年からプリンシバルに昇格したホールバーグはとてもハンサムで素敵でした。

舞台装置はなぜかアジアンチックで、意地悪な姉二人の踊りはとってもコミカルで良い味を出していました。

●6/14/2006 (マチネ) ジゼル Irina Dvorovenko & Maxim Beloserkovsky

第1幕
 踊りの好きな村娘ジゼルはロイスと愛し合っています。ジゼルを愛する森番ヒラリオン(またはハンス)は嫉妬をし、従者ウィルフリードのロイスに対する従順な態度を不思議に思い、彼の正体が公爵アルブレヒトであることを突きとめます。ジゼルの母ベルト(またはベルタ)は「結婚前に死んだ娘はウィリになり、夜な夜な踊り狂い、通りかかった若者を踊らせ死に至らしめる」とジゼルに話します。

 領主と令嬢バチルド一行が、ベルトの小屋に休憩をしにやってきました。ジゼルはバチルドに気に入られジゼルもバチルドを敬いますが、彼女は実はアルブレヒトの婚約者だったのです。嫉妬心に燃えるヒラリオンの角笛によってその事が露見してしまいます。嘆き悲しみ、錯乱したジゼルは踊りながら死んでしまいます(またはアルブレヒトの剣で胸を突きます)。

第2幕
 夜,ウィリたちが踊る森の幻想的なシーンです。ウィリの女王ミルタは、ジゼルを墓から甦えらせウィリの仲間として迎えます。ジゼルの墓を見舞ったヒラリオンを、ウィリたちは踊らせて殺してしまいます。

 また百合を抱え登場したアルブレヒトをウィリたちは踊りに誘いますが、アルブレヒトをまだ愛しているジゼルは彼をかばいます。やがて夜明けを告げる鐘が鳴り響き、ウィリたちは消えてゆきます。ジゼルも墓へ戻り、ひとりの残されたアルブレヒトは自分の犯した罪の重さと後悔の念に嘆き悲しみます。


2005年のシリーズは産休を取っていたイリーナですが、通常産休明けはあまり期待できないので観にいく予定では無かったのですが、ジゼルのドレスリハーサルを観にいく機会があり、その時にイリーナがジゼルを踊りました。

産休明けとは思えないほど、身体も締まりバランスも安定していて、以前よりもパワーアップしたように思えました。そして、リハーサルを観た後、早速イリーナのジゼルとスワンレイク、そしてロミオとジュリエットのチケットを購入しました。

イリーナのジゼルは、第1幕はとてもかわいらしく、そして裏切られたと知った時は本当に涙を流し、錯乱して踊る様子は鬼気迫るものがありました。

1幕のステップは軽い跳躍や,空中で両足を打ち合わせるアントルシャなどが目立ち、本当に可愛らしく、いかにも“少女の恋”なのでよけいに狂気の哀しみを際立たせるのだと思います。

ジゼルが狂い死にした姿を指さし、アルブレヒトはヒラリオンにお前のせいだ!と言います(パントマイムですが)、ヒラリオンは「いや、お前のせいだ!」とアルブレヒトを責めます。私は「お前達のせいだろ!」と思わず突っ込みを入れたくなりました(^^;

第2幕は非常に幻想的なシーンで、ゆったりとした音楽なので、絶対にごまかしがきかない非常に難しい踊りです。

イリーナのバランス感覚は素晴らしく、身体も柔軟でした。「白いバレエ」の真骨頂ともいえるアラベスクのポーズや、人間ではないウィリとしての、体重を感じさせないイリーナの踊りはそれはそれは見事でした。

旦那様のマキシムも相変わらずのハンサムボーイで、2人ともバレエを踊るために生まれてきたような、美しさと才能を兼ね備えています。天は二物を与えてしまったのですね。

マキシムのリフトも見事でした。ジゼルを空気のようにフワフワと浮いているようにリフトをしなくてはならないのですが、ジゼルを頭上高くリフトするところも、そして頻繁に使われる「胸あたりまでの低いリフト」もまさにジゼルが空気のように浮いているようでした。

コアがアラベスクで交差していくシーンも幻想的で見応えがありました。

●6/27/2006 (ソワレ) スワンレイク Gillian Murphy & Angel Corella

白鳥の湖

アンヘルとジリアンのカーテンコール

私の大好きなアンヘルと迫力満点のジリアンのスワンレイクです。今年もジリアンの黒鳥の踊りの32回の大回転(グラン・フェッテ・アン・トールナン)は素晴しかったです。観客は皆興奮していました。カーテンコールは自由に写真が撮れます。花束が後から後から投げ込まれていました。

●6/29/2006 (ソワレ) スワンレイク Irina Dvorovenko & Maxim Beloserkovsky

イリーナとマキシムのカーテンコール

イリーナ綺麗でしたぁ〜。腕の動き、ポーズの一つ一つが本当に白鳥のようでした。マキシムも王子の気品がありました。本当にこの二人は立っているだけでも絵になるのです。

今年は、私の大好きなアンヘル&ジリアン、イリーナ&マキシムのスワンレイクを間1日開けて観たのですが、どちらも本当に見応えがあり、テクニックも表現力も甲乙つけがたく素晴しかったです。

ただ、私個人的な感想としては、白鳥はイリーナ、黒鳥はジリアンが好きです。イリーナは本当に繊細で美しい白鳥そのもの。ジリアンの黒鳥は、王子を誘惑する表情、気品、迫力あるテクニック、特に何度もいうように32回転は、世界一といっても過言ではないのではないか?というほど、そうそう見られるものではありません。

もちろん強いて選ぶならという意味です。イリーナもジリアンもオーラがあって、テクニックもバランス感覚も表現力も本当に別格です。彼女たちの美しさを最大限活かす、アンヘルやマキシムの安定した高い技術のリフトやサポートも見事です。

時々リフトでは、“よいしょ”という感じで“重そー”と感じるダンサーもいますが、彼らのリフトは軽々持ち上げ、そしてとても安定しているのです。

ABTのスワンレイクは最後は、オデットと王子が湖に身を投げてしまうのですが、アンヘルは跳躍力を活かして、ぴょーんと高くジャンプして湖に飛び込むのです。あまりに見事なダイブなので、不謹慎にも笑ってしまいました。

◆音楽:ピョートル・チャイコフスキー

第1幕 王子ジークフリートは森での友人たちの集まりでも浮かない顔です。なぜなら成人を迎える彼は明日の夜、花嫁を選ばなくてはならないからです。母である女王から贈られた弓矢を持って王子は前夜狩りに出ました。

第2幕 そこで出会った白鳥たちは悪魔ロットバルトに魔法をかけられた人間の娘達で、ジークフリートは美しい白鳥の姫オデットに一目惚れをします。オデットは自分の悲しい身の上を王子に話します。しかし、魔法を解くには永遠の愛の誓いが必要なのです。(この2幕が「1幕2場」となる構成の3幕仕立てが現在は主流になっています)王子はオデットに永遠の愛を誓うことを約束します。

第3幕 花嫁選びのパーティーに現れたのはオデットとそっくりの黒鳥オディールです。オディールは王子を誘惑し、妖艶な笑みを浮かべ魅力的に踊ります。すっかり魅了されたジークフリートは彼女に愛を誓います。しかしロットバルトとオディールは正体を現し、嘲笑いながら王子を残し去ってゆきます。

第4幕 裏切られたことを知ったオデットは、哀しみに暮れながら踊ります。白鳥の湖にたどり着いた王子は、ロットバルトを倒しオデットの呪いは解けハッピーエンドとなります(または二人とも湖に飛び込み沈んでしまいます)。etc.

●7/13/2006 (ソワレ) ロミオとジュリエット Irina Dvorovenko & Maxim Beloserkovsky

第1幕
第1場 ヴェローナの市場
 モンタギュー家のロミオは恋慕するロザリンに袖にされ、マキューシオとベンヴォーリオに慰められます。夜が明け、人々が市場にやってきます。キャピュレット家のティボルトとロミオの友人たちが口論をはじめ、モンタギュー公、キャピュレット公まで騒ぎに加わりヴェローナ公がなんとか場をおさめます。

第2場 キャピュレット家のジュリエットの控えの間
 ジュリエットが乳母と無邪気に遊んでいるところに両親が登場し、求婚者パリスを紹介します。

第3場 キャピュレット家の門前
 キャピュレット家で開かれる仮面舞踏会の招待客が次々に到着します。ロミオ、マキューシオとベンヴォーリオも仮面をつけて館に入ります。

第4場 舞踏会
 ロミオはロザリンを探しますが、ジュリエットと偶然目が合い一瞬で恋に落ちます。ティボルトが気付きますが、ロミオの友人たちは二人から人々の注意をそらそうと大胆に踊ります。客人たちが晩餐会場を去り仮面をはずしたロミオとジュリエットが踊ります。

第5場 キャピュレット家の門前
 引き上げていく客人たち。ロミオらをティボルトが追おうとしますが,キャピュレット公が諌めます。

第6場 キャピュレット家の庭
 ジュリエットがバルコニーに出てきます。そこへロミオが現れ、互いの愛を打ち明けます。

第2幕
第1場 市場
 夢見心地のロミオ。結婚式の行列が登場し、周囲に祝福されます。ジュリエットの乳母がマキューシオ、ベンヴォーリオにからかわれた末にロミオとジュリエットの結婚の承諾の手紙を渡します。

第2場 教会
 ロレンス神父のもとで二人は秘密の結婚をします。ロレンスはこの結婚により両家が和解することを願っています。

第3場 市場
 戻ってきたロミオにティボルトが決闘を仕掛けますが、もう親族のつもりでいるロミオは戦おうとはしません。代わりにマキューシオが諍いを起こしてしまい、マキューシオがティボルトに殺されてしまいます。逆上したロミオはティボルトを殺してしまいます。ロミオはヴェローナを追放されることになります。

第3幕
第1場 ジュリエットの寝室
 初夜を過ごした恋人たちが目覚めます。ロミオはマンチュアへ旅立って行きます。
 キャピュレット夫妻、パリス、乳母が登場します。ジュリエットはパリスとの結婚を拒絶します。

第2場 教会
 ロレンス神父はジュリエットに仮死状態になる薬を渡します。

第3場 ジュリエットの寝室
 ジュリエットはパリスとの結婚を承諾し、薬を飲みます。次の朝、ジュリエットの遺体が発見され、人々は悲観に暮れます。

第4場 キャピュレット家の墓室
 棺台に横たわるジュリエット。親族らが去った後もパリスが残っています。真相を知らないロミオが現れ、パリスを刺殺します。ジュリエットを抱えて踊った後、毒薬をあおるロミオ。ジュリエットが目覚め、ロミオの遺体に気付き、短剣を胸に突き刺しロミオの後を追います。

イリーナとマキシムのカーテンコール

ロミオとジュリエットはドンキ・ホーテやスワンレイクのように、踊りの見せ場は余りありません。それ故に表現力が必要とされます。イリーナとマキシムのロミオとジュリエットは、表現力豊かで、美しくオーラがあるので一瞬たりとも目を離せませんが、これがオーラがなく立っているだけで絵になるタイプではないダンサーだったら退屈してしまうと思います。

ロミオと出会う前のイリーナのジュリエットは、とても可憐な少女そのものでした。とても1児の母とは思えないほど可愛らしく、あどけなささえ感じました。そして、ロミオと出会い恋に落ち、愛し合ううちに、徐々に女性らしく変わってゆくジュリエットの表現力は見事でした。

ロミオとティボルトの決闘のシーンも見応えがありました。

◆パリ・オペラ座バレエ、ラ・バヤデール全3幕

先日、ルドルフ・ヌレエフの遺作となったパリ・オペラ座のラ・バヤデールのDVDを観ました。
ニキヤ役イザベル・ゲラン、ソロール役ローラン・イレール、ガムザッティ役エリザベート・プラテル。

初め家でDVD鑑賞なのでそれほど気合を入れて観ていなかったのですが、そのうち椅子をTVの近くの真正面まで持っていき真剣に魅入ってしまうほど引き込まれて行きました。

舞台装置、衣装、振り付け・演出、エトワール(主役を踊る第一舞踊手で英語だとプリンシバル)、コールド(群舞、英語だとコア)どれをとっても素晴しかったです。

主役のニキヤは表現力テクニックどちらも素晴しかったです。現在は現役ではないようですが、彼女の生の舞台を見てみたかったなぁ〜と思いました。

各幕でソロを踊るダンサーも、主役に負けないくらい見事で、私はDVDなのに、TVに向かって思わずブラボー!と言って拍手していました。

男性コールドも非常によかったです。男性コールドは女性コールドに比べてちょっと見劣りすることが多いのですが、男性コールドもピッタリと踊りがあっているし、踊る場面も多く、活躍の場が沢山あってやりがいがあるだろうと思いました。

第3幕の頭で32人の女性コールドが一人ずつ幕内から、アラベスクをしながら出てきて、舞台を移動するのですが、これだけ人数がいると、思いっきりタイミングをずらす人や、フラフラするダンサーがいるもなのですが、見事に息は合っているしバランスも素晴しかったです。

うまく伝わるかどうかわかりませんが、イチ・ニのタイミングで2歩ステップを踏み、3のタイミングでアラベスクのポーズで止まるのです。簡単そうにやっていますが、これは非常に難しいことだと思います。一番最初に出てきたダンサーは最低でも32回はアラベスクをしながら移動するわけです。男性陣、女性陣ともに層の厚さを感じました。恐るべきパリ・オペラ座ですね。

演目によっては第1幕はちょっと退屈だったりすることもあるのですが、ラ・バヤデールは全幕通してすべて見応えがありました。観終わったとき自分でも興奮しているのが良くわかりました。もちろんテレビの前で大拍手!機会があったら是非一度見てみてください。

いつかパリで生の公演を観てみたいですねぇ〜

◆ロイヤルバレエ、くるみ割り人形

吉田都さんと、上に記述してあるインターナショナル・ガラ・コンサートで私をすっかり魅了してくれたAlina Cojocaruが出演しているくるみ割り人形のDVDを購入しました。2001年の作品ですが、吉田都さんは金平糖の精です。相変わらずすばらしいテクニックでした。完璧な技術です。欧米人の中にいてもちっとも見劣りせず、オーラーが出ていました。

ロイヤルのくるみ割り人形は、私が今まで観たものよりクララが踊るシーンが多かったように思います。Alina Cojocaruはこの時20歳で、まだあどけなさも残っているのでクララがぴったりです。

 

 

 

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